SpikeTaro
SpikeTaro スプラッシュ
The Spike Sorting Software for multi-unit Neural Spikes.
1. SpikeTaro のスパイクソーティング
 SpikeTaro は集合電位等のマルチソースから成る信号から、各ソースのスパイクを分離します。 ソーティングアルゴリズムは通常、スパイク高とスパイク幅の2つのパラメータで構成されます。 しかし、記録信号に多数のソース信号が含まれている場合、スパイク同士の干渉から分離性能は格段に低下します。 このプログラムは独自のソーティング アルゴリズムを使用して、この問題を解決します。
  • 信頼度を評価しながら単一ユニットのスパイクを抽出します (ピーク抽出アルゴリズムほか)。
  • スパイク波形間の波形形状およびスパイク高を規準としたソーティングを行います (時間分解能非依存相関法)。
SpikeTaro 画面
SpikeTaro 画面
 本手法が用いられている論文を以下に参照します。 他にも国際会議、投稿準備論文等で本アルゴリズム、本ソフトウェアをご使用いただいております。
  • Kidokoro-Kobayashi M, Iwakura M, Fujiwara-Tsujii N, Fujiwara S, Sakura M, Sakamoto H, Higashi S, Hefetz A, Ozaki M: Chemical Discrimination and Aggressiveness via Cuticular Hydrocarbons in a Supercolonhy-Forming Ant, Formica yessensis, PLoS ONE, 7(10):e46840(2012)
  • Perez Goodwyn P, Katsumata-Wada A, Okada K: Morphology and neurophysiology of tarsal vibration receptors in the water strider Aquarius paludum (Heteroptera: Gerridae), J. Insect Physiol. 55(2009), pp. 855-861
2. SpikeTaro の機能
2.1 デジタルフィルタ機能
 SpikeTaro は FIR フィルタ (Finite Impulse Response Filter) を実装しています。 線形位相フィルタのデジタルフィルタです。 バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタの遮断周波数を自由に設定できます。
 500-1500 Hz のバンドパスフィルタの周波数特性を、下図に示します (SpikeTaro 画面)。
SpikeTaro フィルタ設定画面
SpikeTaro フィルタ設定画面
 このフィルタ設定では、0 - 500 Hz 帯域の信号強度はオリジナルデータの 1/10000 の大きさとなり、 500 - 1500 Hzの帯域では信号強度は変わらず、1500 Hz 以上の帯域では 1/1000 - 1/10000 程度の信号強度になります。 また、遮断周波数での立ち上がりと減衰はシャープです。
 以下に SpikeTaro で行ったフィルタ処理の例を示します。 電源周波数成分が除去されているのがわかります。
SpikeTaro フィルタ処理
SpikeTaro フィルタ処理
2.2 ソーティング機能
 SpikeTaro のソーティング機能は、大きく次の2つにより構成されます。
  • スパイクの抽出
  • 波形の相関係数 (寄与率) によるソーティング
2.2.1 スパイクの抽出
 ピーク検出アルゴリズムを使用し、スパイクの立ち上がり、ピーク値、スパイク終了を検出します。 また、集合電位の記録時に多々起こりうる、複数のスパイクの合成信号に対し、自動的にスパイクを分離します。 分離したスパイクのポイント数が少なく、信頼限界を超える場合は、そのスパイクデータを無視します。
複合スパイクの分離
複合スパイクの分離
2.2.2 ソーティング
 抽出した全スパイクに対して、各スパイク間の相関係数を求め、寄与率によりスパイクを分類します。 閾値となる寄与率は設定により変更可能です。 スパイクソーティングの対象は、スパイクの波形そのものとなるため、より精度の高いソーティングを行うことが可能です。
Sorting Correlation
 相関係数を計算するにあたり、データの切り出し誤差を避けるため、各切り出されたスパイクに自然スプライン補間を行います。
 以下に SpikeTaro によるソーティング結果の例を示します。
SpikeTaro ソーティング結果画面
SpikeTaro ソーティング結果画面
2.2.3 ラスタプロット
 ソーティングされたスパイクグループ (クラスター) 毎にラスタプロットを出力します。 個別のクラスタの応答パターンの解析等に使用できます。
SpikeTaro ラスタプロット出力画面
SpikeTaro ラスタプロット出力画面
2.3 クラスタリング機能
 SpikeTaro は前述のソーティング アルゴリズムとは独立に、分類感度の高い Ward 法によるクラスタリング機能を実装しています。 クラスタリングでは、スパイク幅とスパイク高を設定できます。
SpikeTaro クラスタリングの設定
SpikeTaro クラスタリングの設定
 スパイク幅とスパイク高は、複数のスパイクが合成されていない単独の「完全なスパイク波形」のみ正確に求めることが可能です。 SpikeTaro では、クラスタリング実行時に、このような「完全なスパイク波形」のみを自動抽出し、Ward 法を実施します。 これにより見かけのスパイク幅とスパイク高を含まない、より精度の高いクラスタリングが可能となります。
SpikeTaro クラスタリング結果画面
SpikeTaro クラスタリング結果画面
3. 動作環境
SpikeTaro は以下の環境で動作します。
OS の種類 Microsoft Windows 7 (64, 32 bit), Vista (64, 32 bit), XP SP2 以降
メモリ 2 GB 以上 (注)
CPU Intel(R) Core(TM)2 Duo 1 GHz 以上
その他 インストール時にはインターネットに接続できる環境が必要です。
(注) SpikeTaro で一度に処理できるデータ量は、環境のメモリ容量に依存します。 多くのメモリを使用できれば、それだけ大きなデータの処理を行うことが可能です。
4. ドキュメント ダウンロード
5. お問い合わせ
5.1 価格
 SpikeTaro ver. 1.0     定価 ¥308,000- (税込)
5.2 ご購入方法
 SpikeTaro をご購入される場合や、詳細仕様に関しましては、
 下記のメールアドレスまで、お気軽にお問い合わせください。
    メール
5.3 お支払い方法
 銀行口座へのお振り込みとなります。
 大学様、公的研究機関様におきましては、納品後のお支払いとなります。
 それ以外の団体様、個人様におきましては、納品前の先払いをお願いしております。
5.4 評価版ソフトウェア
 ご購入を検討されている方には、評価版ソフトウェアをご提供しております。
 SpikeTaro の性能と利便性にご納得されてから、ご購入することが可能です。
5.5 導入実績
6. 開発元
 株式会社 知能情報システム
 〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町91
  KRP9号館 609号室
  TEL: 075-321-7300 FAX: 075-321-7305
 開発主任/担当者:岡田公太郎
 神経生理学分野で研究実績のあるエンジニアです。詳しくは下記 URL をご参照ください。
 https://www.chino-js.com/ja/service-engineer.html#okada.koutaroh